金投資にはさまざまなやり方があります。安定資産として注目されている金を生かした投資商品が開発されてきているからです。
金投資の種類によってメリット・デメリットにも違いがあります。金投資の中でも人気がある方法と特徴、購入方法についてまとめたので参考にしてください。
目次
【おすすめ】金現物取引
金現物取引は金そのものを購入する取引方法です。
金スポット取引とも言われる金投資のやり方で、好きなときに希望の量の金地金や金貨を購入できます。
金現物取引は金投資の中で最も歴史があって信頼性が高いおすすめの方法です。
メリット
金現物取引の最大のメリットは金そのものを資産として保有できることです。
金の資源には限りがあるため、現物の価値は今後も持続的な上昇を期待できます。スポット取引では金貨1枚、金地金1グラムから少額からの取引も可能です。
プール型の取引をしている業者なら自由に金額を設定して投資できるなど、少額から始めやすいサービスが増えてきています。
金の現物が手に入ると鑑賞やインテリアにも活用できるメリットがあります。
金貨には美しいデザインが多く、金地金もシンプルながら存在感や重厚感があります。
金貨を額縁に入れたり、金地金をショーケースに入れたりして楽しむのも一興でしょう。
デメリット
金現物取引は金そのものが手に入ってしまうため、保管の方法を考えなければならないのがデメリットです。
金は現物価値が高いので盗難リスクがあります。金庫を購入して厳重に管理するのが典型的ですが、金庫ごと盗まれることもないわけではありません。
安全性を重視して銀行や貸金庫業者に預けることもできますが、年間数万円程度の保管コストがかかります。
徳力本店『GTKシステム』の場合
平均保管重量 | 保管料(6ヶ月) | 保管料(12ヶ月) |
---|---|---|
15,000g~10,000g越え | 7,920円 | 15,840円 |
10,000g~5,000g越え | 5,280円 | 10,560円 |
5,000g~1,000g越え | 2,640円 | 5,280円 |
1,000gまで | 1,320円 | 2,640円 |
※15,000g以降は5,000g毎に2,640円
ただ、取引先業者によっては金の現物を受け取らずに、自分の資産として業者にそのまま厳重に保管してもらう選択肢も出てきました。
金を飾りたいという希望がないなら最も手間がかからず、保管手数料も安いので魅力的な方法です。
購入方法
金現物取引は地金商や宝飾店、貴金属メーカーなどで購入できます。店舗販売もおこなわれていて、宝飾店や貴金属店では金貨や地金(インゴット)の現物を見て購入可能です。
また、金現物は電話やインターネットでの取引に対応しているケースもよくあります。
インターネット専門で金の保管も任せられるサービスもあるなど、利便性の高い金現物取引ができるようになってきています。
純金積立
純金積立は金を毎月少しずつ資金を積み立てて購入する金投資のやり方です。
定額積立と定量積立から選ぶことが可能で、期間を決めて長期的に購入を続けていきます。
メリット
純金積立は少額から始められるのがメリットです。
毎月1,000円や1グラム程度から積み立てられる業者が多いので気軽に金投資を始められます。
まとまった投資資金を用意するのが難しくても、毎月少しずつ積み立てていけば大きな資産になります。
振込で積み立てていくことも、自動引き落としで積み立てることもできる便利な投資方法です。業者によってはスポット取引による積立金の追加にも対応しています。
純金積立は消費寄託と混蔵寄託から選べる仕組みになっています。
消費寄託
消費寄託では購入した金を業者に運用してもらい、運用利益の一部を手に入れられるのがメリットです。
混蔵寄託
混蔵寄託は積み立てた金額に相当する金を保管してもらう方式で、純金積立が満期になるか解約したときには金の現物を手に入れられます。
デメリット
純金積立は手数料の高いのがデメリットです。
純金積立では入会金や年会費がかかる場合が多くなっています。また、積み立てるたびに購入手数料がかかるのが一般的です。
購入手数料の相場は3%前後で、他の金投資のやり方に比べると高い水準です。金現物の保管手数料も年間数千円程度負担しなければなりません。
スポットで積立金を追加するときにも手数料がかかる場合が多いため、手数料負担を加味して投資価値を検討する必要があります。
また、純金積立の仕組みによって異なるデメリットがあるのも注意点です。
消費寄託
消費寄託の場合には金現物を手に入れられないため、業者が破綻すると資産がなくなるリスクがあります。
混蔵寄託
混蔵寄託では分別管理をしていれば破綻リスクはありませんが、消費寄託のように運用利益を還元してもらうことはできません。
購入方法
純金積立は地金商や貴金属メーカー、銀行や証券会社、商品先物業者などで購入可能です。
取引先を決めたら口座を開設あるいは入会手続きをします。
そして、契約をして月3,000円や月5グラムなどといった形で定期的にお金を積み立てていきます。
金先物取引
金先物取引は証拠金取引の一種で、一定の期日に一定の価格で購入または売却をするのを約束して取引をする投資方法です。
現在の先物価格よりも価格が上がるか下がるかを予想して取引をすることで利益を生み出します。
メリット
金先物取引は証拠金取引で大きなレバレッジをかけられるのがメリットです。
金先物取引では最大25倍のレバレッジをかけて取引できるのが一般的になっています。
10万円の投資資金があったときに25倍のレバレッジで買い注文を出すと250万円の取引が可能です。
取引可能金額 | ||||
---|---|---|---|---|
投資資金 10万円 | ✖ | レバレッジ 25倍 | = | 取引金額 250万円 |
先物取引の期日が来たときに金先物価格が10%増えていたとしたら、10万円の取引で得られるのは1万円だけです。
しかし、25倍のレバレッジをかけると25万円の利益になります。少額でも大きな資産形成を目指せるのが金先物取引の魅力です。
金先物価格が10%増加した場合 | ||||
---|---|---|---|---|
増加分 10万円× 10% | ✖ | レバレッジ 25倍 | = | 利益 25万円 |
また、金先物取引では差金決済するか、金の現物を手に入れるかを決められます。
差金決済であればレバレッジによって大きな利益を出せるだけでなく、金の受け取りや保管をせずに済むのがメリットです。
現物を手に入れる方法は希少価値のある金を資産として手元に置ける魅力があります。
デメリット
金先物取引はレバレッジをかけることでハイリスクハイリターンの投資になっているのがデメリットです。
金先物価格が上昇したときにはハイリターンになりますが、相場が下がったときには大きな損失になります。
10万円の投資資金で25倍のレバレッジをかけたときに、期日になったら10%も価格が下がっていたとしましょう。
レバレッジをかけなければ1万円の損失ですが、25倍のレバレッジをかけると25万円の損失です。
金先物価格が10%下がった場合 | ||||
---|---|---|---|---|
減少分 10万円× 10% | ✖ | レバレッジ 25倍 | = | 損失 25万円 |
投資資金よりも大きな損失を出すリスクがあるのが金先物取引の注意点です。
金先物取引は決済期日が決まっているので短中期の投資にしか利用できないのもデメリットです。
老後の資産として金を持っておきたい、子孫に引き継げる貴重な資産を手に入れたいといったときには金先物取引は向いていません。
取引ごとに手数料がかかるため、長期的に取引を反復しておこなうと資産が目減りするリスクもあります。
購入方法
金先物取引は証券会社や商品先物業者が取り扱っています。
証券会社や商品先物業者で口座を開設し、業者に売買の注文を出せば取引が可能です。
店頭での取引もできますが、インターネットや電話での注文に対応している業者もあります。
金ETF取引
金ETF取引は金に関連する株式や債券などを組み合わせた上場投資信託を利用する金投資のやり方です。
金ETFは基準価額が金の現物価格や先物価格と同じように推移するように設計されているのが一般的です。
メリット
金ETF取引は少額から始めやすくてリスクの低い金投資ができるのがメリットです。
金そのものを運用するわけではなく、金に関連する株式や債券、金先物取引などへの分散投資になります。
ポートフォリオと資金分配は運用会社がプロとして担当してくれるため、運用の手間が一切なくて高度な知識がなくても投資できるのが魅力です。
また、金ETF取引は金の現物を一切取り扱わないので盗難リスクや保管手数料がありません。
金ETFは業者が経営破綻を起こしたとしても資産が保全される点でもリスクが低い金投資です。
基本的に金ETFの基準価額は金相場と連動するため、金現物を持たずに金の価値を生かした投資ができるのがメリットです。
デメリット
金ETF取引は手数料がかかるのがデメリットです。
金ETFはインデックスと連動するパッシブファンドなので、積極的な運用により基準価額を上げるアクティブファンドに比べると手数料は低くなっています。
しかし、販売手数料や信託報酬の負担は必要です。販売手数料は購入金額に対して0.5%~2.0%、信託報酬は運用資産額に対して年間0.3%~0.9%程度がかかります。
負担費用 | |
---|---|
販売手数料 購入金額に対して0.5%~2.0% | 信託報酬 運用資産額に対して年間0.3%~0.9%程度 |
短期投資では販売手数料の分も利益を出す必要があり、長期投資の場合には信託報酬を加味して資産形成になるファンドを選ばなければなりません。
投資信託は長期積立による資産形成が人気ですが、金ETFは積立投信に対応していないのもデメリットです。
基本的には売買のタイミングを判断して都度取引をする必要があります。金ETFの銘柄も増えてきているため、どの銘柄をいつ購入するかを慎重に考えて投資しなければならないのも大変な点です。
また、金ETF取引は金の現物を手に入れられないのが一般的です。金ETFの中には売却時に現金ではなく金の現物を手に入れられる商品もありますが、通常は現物とは完全に切り離されています。
購入方法
金ETFは証券会社で購入します。店頭取引、インターネット取引、電話取引などから証券会社の口座契約のときに選択するのが一般的です。
金ETFの銘柄を指定して注文を出せば買えます。上場している投資信託なので市場がオープンのときにだけ購入可能です。
金CFD取引
金CFD取引は金をテーマにした差金決済取引です。
金現物価格、金先物価格、金ETF価格を指標とする取引が可能で、売買の差額から利益を得る金投資のやり方です。
メリット
金CFD取引はレバレッジをかけて少額資金による大きな取引ができるのがメリットです。
10倍のレバレッジをかけて取引できる業者が多く、少額投資で利益を出すのに適しています。
24時間いつでも注文を出せるのも特徴で、決済期日も定められていません。
希望のタイミングで取引の決済ができるため、利益になるまでじっくりと待つことも即決して短時間で利益を出すことも可能です。
金CFD取引は売買手数料や取引手数料もかからない仕組みになっているのも魅力でしょう。また、差金決済なので売り注文から始めることもできます。
金相場は長期的には上がっていますが、短期的には大きく上下動を起こしています。相場が上がるときだけでなく、下がるときにも金投資を始められるのがメリットです。
デメリット
金CFD取引はレバレッジによるリスクがあります。大きなレバレッジをかけると、金の相場変動に伴う利益も損失も大きくなるのが特徴です。
想定外の値動きがあったときには大きな損失になるリスクがあるのが金CFD取引の注意点です。
金CFD取引では手数料がかからない代わりにスプレッドがあるのがデメリットです。
スプレッドは実質的には金CFD取引の手数料に相当します。金CFDのポジションの購入価格と売却価格の差額がスプレッドです。
買い注文を出したときと、決済注文を出したときの相場が同じだった場合にはスプレッドの分だけ損失になります。
金の現物を手に入れられないのも金CFD取引のデメリットです。
CFD取引はあくまで金に関連するインデックスを利用する差金決済取引なので、金そのものを手に入れる魅力を味わうことはできません。
購入方法
金CFD取引は証券会社やCFD業者でおこなえます。
証券会社では通常の口座に加えて、CFD専用の口座開設が必要です。
基本的にはインターネットで注文をして購入する仕組みで、売り注文も買い注文も自由なタイミングで出せます。
まとめ
金投資はもともと現物取引をするのが当然でしたが、金の投資価値が高まったことによって多岐にわたる投資商品を利用できるようになっています。
どの金投資のやり方にも魅力がありますが、リスクも秘めているので注意が必要です。
金現物取引は長い歴史もあって信頼性が高く、便利なサービスを提供する業者も増えているのでおすすめです。
どの方法で投資するか迷ったときには現物取引をまず検討してみましょう。
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