投資をするときには証券会社の口座を開設して取引をするのが一般的です。投資による資産形成が注目されるようになり、利用実態調査も活発に実施されるようになりました。
株式会社ZUUの運営する「NET MONEY」では2023年の証券口座の利用実態調査を実施しています。2021年には証券投資に関する全国調査が日本証券業協会によって実施されましたが、2023年になって社会状況も変わりました。
ZUUによる調査は個人の最新の投資状況を知る上で参考になります。この記事ではZUUと日本証券業協会の調査結果のエッセンスをまとめました。その結果から、今後の投資戦略について考えるべきポイントを解説します。
目次
証券口座の利用実態調査の結果からわかるポイント
株式会社ZUUによって実施された証券口座の利用実態調査は20歳~69歳の男女を対象とした証券取引についてのアンケートです。2022年には1,000名、2023年には506名を対象として実施されています。
この調査結果からわかる日本の投資傾向のポイントをまずは見ていきましょう。
投資を始めたきっかけは将来資金の悩み
ZUUによる2023年の調査では投資を始めたきっかけは「老後資金に不安を抱いたから」というのが54.2%を占めています。続いて「余裕資金ができたから」が35.4%、「NISAを知ったから」は20.8%、「WEBで興味を持ったから」が20.2%でした。
政府によって老後2000万円問題が掲げられたことを受けて、投資をして資産を増やして老後資金を確保したいというニーズが高いことがわかります。また、NISAによって税制的な優遇を受けられることを知ったり、WEBで投資できる情報を手に入れたりしたのがきっかけになっている人も多くなっています。
ZUUの前年の調査では「今の収入を増やしたいから」が39.6%でした。それに対して「将来の生活が不安で必要性を感じたから」は28.1%で、2022年の時点では収入増加のために投資をしたい人が多かったことがわかります。
将来不安を感じて老後資金のために投資を始めている人が急激に増えています。将来資金の悩みが非常に大きくなっていることは明らかでしょう。
証券会社選びでは手数料重視
同調査では現在利用している証券会社を選んだ理由について調査しています。トップになったのは「取引手数料の安さ」で、全体の37%を占めています。
また、開設した証券会社の不満足な部分としても「手数料や手数料体系」が38.9%になっていました。
前年に実施されたZUUの調査でも「取引手数料の安さ」が39.8%を占めていたので、日本では証券会社や取引手数料で選ぶのが標準的だと言えるでしょう。
人気がある投資商品は国内株式
投資商品として何が選ばれているのかも統計調査がおこなわれています。同調査によると、現在証券会社で利用しているサービス・投資商品として、国内株式が62.8%、投資信託が45.3%、NISA・つみたてNISAが42.5%でした。
投資信託は分散投資になることもあって、政府も投資方法として推奨しています。また、国が推進しているNISAやつみたてNISAも上位には入っていますが、国内株式の方が人気なのが実態です。
前年の調査では国内株式が54.6%、投資信託が30.2%、NISA・つみたてNISAが27.1%でした。一年間での変化を考えると国内株式に比べて、投資信託やNISA・つみたてNISAを選んで投資をしている人が増えてきていることがわかります。
株式投資の方針は長期保有が基本
最も人気がある株式投資では長期保有を基本とする投資が最も選ばれています。株式投資の方針についての同調査では「基本的に長期保有し、含み益があれば売却」が45.6%を占めていました。
また、「配当金・利子を重視」という回答が34.2%です。株式投資は短期での売買によって利益を得ることも可能ですが、長期保有によって利益を得る目的で投資をしている人が多いことがわかります。
2021年の証券投資に関する全国調査の結果との比較
日本証券業協会によって2021年に実施された調査とZUUの最新の調査を比較すると面白いことがわかります。ここでは2021年の証券投資に関する全国調査の結果をZUUによる調査結果と比較して紹介します。
金融商品の保有目的
日本証券業協会による調査では金融商品の保有目的として最も多いのは「将来・老後の生活資金」で68.6%を占めていました。次に続くのも「将来の不測の事態への備え」で37.8%になっています。
将来を考えて投資をする人が多いことはこの時点から変わっていません。
興味を持っている金融商品
日本証券業協会の調査結果では興味のある金融商品について「預貯金」が54.7%を占めていて、続いて「株式」が18.1%、「投資信託」が14.5%でした。ZUUの調査は証券会社の利用に関する内容だったので、預貯金の観点が除外されています。
実際には預貯金を希望する人が半数以上になっていることがわかります。
金融商品に対する重視点
金融商品に何を求めているかを調査した結果では「いつでも出し入れができる」が46.1%、「元金が安全」が38.1%を占めました。つまり、資金の流動性と安全性を重視している人が多数派ということがわかります。
昨今の世界情勢の不安定さも考えると、いつでも現金として使えることや、資産が減らないことが重要と考えるのはもっともなことでしょう。
調査結果からわかる投資戦略のポイント
ZUUと日本証券業協会による投資や金融商品に関する調査結果から、今後どのような投資戦略を考えたら良いのでしょうか。ここでは投資商品の選び方のポイントを紹介します。
長期的に資産を増やせる投資を選ぶ
投資をするなら長期的な視野で資産を増やせるものを選ぶ戦略が合理的です。将来の資金、特に老後資金が気になっている人には最も重要です。長期的に安定して資産価値が増えていくように投資方法を選びましょう。
安定成長している企業の株式や、安全資産として有名な金がおすすめです。金は現物資産なので企業の業績によって左右されることなく、安定した資産価値を持ちます。金は長期的に価格が上がる期待が大きいレアメタルなので魅力的です。
関連記事金投資を少額から始めるメリット・デメリットを解説
流動性が高い投資を選ぶ
必要なときに使える資産であって欲しいという期待に応えてくれる投資を選ぶのも重要です。金の現物は価値が安定的に伸びると期待できますが、流動性については売るのに手間がかかることがあるのが問題点です。
金投資で資産を増やしつつ、いざというときに現金にしやすい方法として、プール共有型金商品があります。業者が大量に保有している金地金を切り分けて投資家に購入してもらう仕組みの金商品です。
少額からでも買いやすいだけでなく、売りたいと思ったときに必要な分だけすぐに業者が買い取る仕組みになっています。流動性が高くて長期的に価値が上がると期待される金地金を資産として保有できるので、いざというときにも困らず、安全に将来に向けて資産を増やす方法としておすすめです。
関連記事金地金の現物とプール共有型金商品の違い
まとめ
証券口座の利用実態調査が2023年にもZUU株式会社によって実施され、老後資金に不安があって長期保有を基本とする投資に取り組んでいる人が多いことがわかりました。日本証券業協会による2021年の調査から基本的な投資動向は変わっていません。
ただ、市場動向は大きく変わってきているので、安全な投資方法についてよく考えることが必要です。長期的な価値の維持向上と流動性を兼ね備えている金融商品はあまり多くはありません。
ゴールデンシーのプール共有型金商品は両方のメリットを持っているので、投資をするときには検討してみてください。
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