2024/06/21

気候テックへの投資が進む時代に気を付けるべき3つのポイント

気候テックへの投資が進む時代に気を付けるべき3つのポイント

気候テックの台頭によって投資の際にも注目されることが多くなりました。今後の地球環境を守っていくには気候テックに投資する魅力があるのは確かでしょう。

ただ、気候テックへの投資を積極的に進めるのにはリスクもあります。この記事では気候テックに投資するときに気を付けるべきポイントをまとめました。

正しい理解をするために必要な気候テックの状況についても詳しく解説します。

気候テックの投資が進む現代社会

現代社会では世界的に気候テックへの投資が進んでいます。気候テックに対する投資が注目されているのがなぜなのかをまずは正しく理解しましょう。

気候テックとは

気候テックとは、地球温暖化問題を中心とする地球の気候に注目して生み出された技術です。気候テックはフィンテックなどと同様に気候問題に関する技術開発によって生まれたベンチャー企業の技術を指すこともあります。

ポイント

気候テックで焦点が置かれているのは二酸化炭素(CO2)の排出量です。CO2は地球温暖化ガスとして代表的で、産業における排出が大きな問題になっています。

地球温暖化に関わっているガスは二酸化炭素だけでなく、フロンや窒素酸化物などもあります。ただ、産業において排出されているガスの中ではCO2が多いのは確かです。

SDGsやネットゼロエミッションの考え方によって、2030年、2050年を目標にして世界的にCO2排出量を減らす取り組みが求められています。気候テックは温暖化対策によって地球環境を守るための技術なので注目されています。

気候テック投資とは

気候テック投資とは、気候テックを開発・事業化している企業に資金投資をしたり、自社で気候テックの開発のために投資をしたりすることです。

企業では自社投資をして気候テックの開発を進める場合もありますが、気候テックを取り柄としている企業を見つけて協業をすることもあります。気候テック投資は地球温暖化を代表とする気候の問題に対策するための資金投資を全般的に指します。

気候テック投資のメリット

気候テックに投資するメリットは永続する気候問題にかかわる投資によって、安定性の高い資産運用をしやすいことです。気候テックへの投資自体が社会貢献になる魅力もあります。

資産運用の方法で迷っていた人も社会貢献になると考えると手を出しやすいでしょう。また、有望な気候テックへの投資は一攫千金になり得るメリットもあります。

ポイント

スタートアップに投資をして急成長を遂げれば大きな資産形成になります。

気候テックに関連する先進的な事例3選

気候テックに関連して先進的な取り組みがおこなわれてきています。気候テックの技術開発や気候テック開発の取り組み支援も含めて、日本でどのような取り組み事例があるかを見ていきましょう。

鹿島建設らのCO2-SUICOM

CO2-SUICOMは環境問題として大きいCO2対策になる環境配慮型コンクリートです。「CO2-Storage and Utilization for Infrastructure by COncrete Materials」の略称で、鹿島建設株式会社、中国電力株式会社、デンカ株式会社、ランデス株式会社の協業によって生み出された気候テックです。

2011年に生み出された技術で、コンクリートの製造におけるCO2の大量発生を防ぐことができます。コンクリートにCO2を固定化することによって、コンクリートの製造のときに発生するCO2の量をマイナスにしています。

アスエネの「CO2見える化」

アスエネは2019年に登場した気候テックのベンチャー企業です。CO2排出量を見える化するためのクラウドサービスを開発し、環境省の環境スタートアップ大臣賞や経済産業省のJ-Startupも受賞してきた経歴があります。

ポイント

アスエネではCO2の排出量を多角的に見える化するだけでなく、削減の目標のロードマップの策定、CO2排出量レポートの作製などにも対応している総合サービスになっています。

環境問題におけるCO2対策に企業が使いやすいオールインワンの仕上がりになっている気候テックです。

三菱地所の「Japan Climate Tech Lab」

気候テックが世界的な課題になっていることを受けて、三菱地所では気候テックのイノベーション拠点の設立を進めています。新大手町ビルの中に、気候テックのイノベーション拠点として「Japan Climate Tech Lab」を設置します。

ポイント

産官学連携を進められる拠点として、気候テックに取り組むスタートアップも大学研究室も参画できます。

気候テックを推進するインフラとして大きな役割を果たすと期待できる取り組みです。

気候テックに投資するときの注意点

気候テックを生み出している企業に投資をすれば資産形成になるチャンスがあります。社会ニーズがある事業に取り組んでいるのは魅力です。

ただ、気候テックへの投資にはリスクがあります。気候テック投資にむやみに投資すると失敗することがあるので、注意点を押さえておきましょう。

気候テック投資には二面性がある

気候テック投資をするときにはなぜ投資をするのかをよく考えましょう。気候テック投資には二面性があります。

CO2排出などの環境問題を解決するためのテクノロジーを生み出している企業に投資するのが気候テックの基本です。ただ、そのテクノロジーが利益を生み出せるとは限らず、社会貢献という意味合いが大きくなることもあります。

投資をするときには資産形成を考えるでしょう。気候テック投資でも同様で、資産も形成しながら社会にも貢献できることを理想として投資をするのが一般的です。

注意

ただ、資産形成になるような気候テックは多くはないので、慎重に投資先を吟味することが必要です。

気候テックの浮き沈みが激しい

気候テックの投資傾向について理解しておくことも投資を始めるときには重要です。機関投資家のレベルでは投資傾向が頻繁に上下動しています。

数ヶ月ごとにトレンドが変わるくらいに気候テックへの投資が活発化したと思ったら、大手が撤退することもあります。

注意

スタートアップの気候テック企業としては、安定した資金投資を受けられないと経営継続が困難です。投資動向の浮き沈みが激しい点には注意が必要でしょう。

資産形成として安全性が高いとは限らない

気候テック投資をすることが資産形成という観点ではリスクを伴うのが注意点です。

地球環境問題に取り組む気候テックは重要性が高いのは確かです。ただ、新たに生み出した気候テックが社会に受け入れられるか、環境問題の解決につながるかはケースバイケースです。

また、新しい気候テックによって置き換えられてしまって廃れるリスクもあります。気候テックに着目して資産形成をするときには、特定の企業の株式を購入するか、気候テックをテーマにした投資信託をします。

注意

安全な投資と考えて株式や投資信託を購入しても、気候テックの質やビジネス展開によっては低迷するリスクもあるので注意が必要です。

まとめ

気候テックへの投資は環境問題を解決するための社会貢献になります。地球温暖化の原因として指摘されているCO2の排出問題に対策できる気候テックが生まれてきました。

ポイント

国外でも積極的な取り組みがあり、ベンチャー企業も設立されています。日本でも気候テックの取り組みが活発に進められていて事例も多くなりました。

気候テック投資は地球環境を守る社会貢献として重要です。ただ、必ずしも気候テックが資産形成になるとは限らないので注意しましょう。

気候テックへの投資によって生きる環境への貢献をしつつ、資産形成も別に検討することがおすすめです。安定して資産価値が上がっている金は、気候テック投資と組み合わせるのにおすすめです。

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